Category:世間ばなし
金曜日の帰りの電車の中でのこと。
時間は、23時半ごろ、渋谷から乗り込みました。
週末ということもあり、なんとなく車内はアルコールの匂いがぷーんとしています。
各駅停車で、ほどほどに混んでいて、
私は扉の横の手すりに寄りかかりながら本を読んでいました。
渋谷から二子玉川の間で、明らかに酔っているなというおじさん(推定58歳)が反対側の扉にいるのが見えました。手すりにもたれかかりながら、膝をがっくんがっくんしています。
電車が揺れるたびにがっくん。隣にいたカップルにぶつかったりしていて、何度か謝っています。
そんな週末の光景を空気で感じ、眠気を感じながら本に集中もできずポーッとしていた時です。
バッターン!!
先ほど反対側でがっくんしていたおじさんが、棒倒しのごとく
ほぼ真っ直ぐに倒れました。
確実に手をついておらず、顔から床にいっています。
周囲には、座っている人、立っている人7から8人ぐらい人がいるのですが、
あまりにも綺麗に倒れるので、みんな固まって動きません。
そして、おじさんは倒れたまま、全く動きません。
意識がない感じ。
ここで、私も本を片手に唖然としていて、全然動けない。助けるという行為に踏み出せず、
ただぼーっと見てしまっています。
その時間およそ30秒ほど。
そこでちょうど倒れた顔の近くにいた20代前半ぐらいの金髪の若者が、
肩を揺すって「大丈夫ですか?」って声かけ始めますが、ピクリともしません。
緊急停車ボタンを押すべきかとも瞬間頭よぎりましたが、動けない私がいます。
その唯一声がけしている若者は偉い。
30秒ほどたって、おじさんが我にかえったように息を吹き返し、
助けようとした若者に「あっ、すみません」と言いながら、何もなかったかのようにすくっと立ち上がりました。
次の溝の口の駅で、おじさんは何事もなかったように降りていき、顔を打ったはずなのに
全然平気そうだったので、まあ、よかったよかったです。
ただ、私の中でのわだかまりとして、
全然動けなかったこと。
あとで調べると社会心理学で集団になると見て見ぬふりをしてしまう「傍観者効果」 というのがあるようです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%82%8D%E8%A6%B3%E8%80%85%E5%8A%B9%E6%9E%9C
他者が積極的に行動しないことによって、事態は緊急性を要しないと考える
というゾーンにはまってしまったのかなと、
ちょっと自分を擁護。
困っている人がいた時に、積極的に関われるかは、やはり普段からの行動ではと思うので、
まずは、“汝の隣人を愛せよ”ですね。